熊本へ。

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2016年4月に発生した熊本地震。
特に益城町では人や建物に甚大な被害をもたらしました。
当時から社内でも現地の状況は刻々と伝えられてきましたが、私の場合、直接出向くことはできず。業務で関わっていて、もどかしさも感じてはいるものの、どこか遠い国の話のような感覚でした。
ですが今回、機会を得、一路熊本へ。

熊本空港にほど近い益城町の応急仮設住宅団地「テクノ仮設団地」
時折、雪が混じった強い風が吹いていました。


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プレハブの仮設住宅が並んだ団地内には、小さなイオンが出店され、クリーニングの無人受付機も設置されていました。

暖かい日であれば井戸端会議に人も出ていたのでしょうが、この日はさすがに見当たらず・・・そうなると無人受付機が余計寒々しく感じ、たとえ店の店員であっても人と関わりたいと感じさせます。
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このテクノ仮設団地に隣接して、モデルハウスが3棟建っています。
中でもこのKKN仕様くまもと型復興住宅『希望の家』とされたモデルハウスは、デコスファイバーが屋根・壁に充填され、耐震等級3、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)においては星5つ。次世代省エネ基準は北海道レベルになっていました。
とはいえ、「数値より体感」がモットーの文系女子。
「北海道レベルっていったい・・・?」
さっそく突入~~~!

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玄関に入ると、中にはさらに引き戸が。
これで玄関からの冷気を遮断するんだそうです。

引き戸を開けるとすぐリビング。
おおぅ・・・
外は雪が舞うほどの気温なのに、部屋の中はエアコン1台でも暖かく、寒くて硬くなった身体がゆるむのが分かるほど。まさに身も心もほっとする家
もう一歩も外に出たくない(笑)

断熱材だけでなく、窓や間取りの相乗効果で暖かい家になるんですね。


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奥の部屋にはデコスコーナーもありました。
見て、さわって、体感して・・・が同時にできてしまうモデルハウスになっています。

従来の仮設住宅は鉄骨やプレハブであるのに対して、熊本では全仮設住宅の15%を木造に。また、仮設住宅50戸ごとに集会所「みんなの家」を建てたことは仮設住宅の新しい取り組みとなりました。

地震から1年9か月。このテクノ仮設団地でも未だ8割強の世帯が入居されています。
町にはブルーシートも目につかなくなり、平静を取り戻しつつあるように感じてしまいますが、元の生活を取り戻すのには多くの課題がありそうです。

災害はいつどこで起こるかわかりません。
国や県は公平性を重視する傾向にある中で、木造仮設の採用という仮設住宅の進化をみせた熊本の事例をモデルケースとして全国の自治体に広まって欲しいと思いました。
仮設住宅であっても、ほっとする家を。(山中樹里)