【お知らせ】JCA設立25周年記念総会開催報告



見学後には、JCA設立25周年を振り返る記念動画が上映されました。四半世紀にわたる活動の軌跡と、関係者の思いが詰まった映像に、会場からは大きな共感と拍手が寄せられました。
JCA安成会長あいさつでは、JCA25年の振り返りと関係者への支援感謝、脱炭素時代への対応策などが報告されました。



続くJCA顧問による近況報告では、伊香賀俊治氏(一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター 理事長)、前真之氏(東京大学大学院 准教授)、辻充孝氏(岐阜県立森林文化アカデミー 教授)が登壇し、それぞれの研究領域や実務の立場から、GX(グリーントランスフォーメーション)や脱炭素時代における断熱の役割と可能性について多角的に報告されました。
なかでも伊香賀氏は、建築物のライフサイクル全体におけるCO₂排出量削減に向けた最新の政策動向と断熱材の果たす役割についてご講演されました。同氏は、「ゼロカーボンビル推進会議」や「建築物のライフサイクルカーボン制度検討会」など多数の政府系委員会にて主査・座長・委員長代理を務め、制度設計をリードされています。
報告では、建築分野における「エンボディド・カーボン(建設時炭素)」の可視化・削減が喫緊の課題であり、今後は建材のEPD整備やJ-CAT(建築物ホールライフカーボン算定ツール)の活用が標準化されていくとのご指摘がありました。断熱材は、アップフロントカーボン削減とライフサイクル全体への貢献という2つの視点から、中心的な役割を担うべきであり、特に木質系・リサイクル素材の有効性がますます高まっていると強調されました。
さらに、JCAや地域工務店による取り組みが、2025年9月に開催予定の「SBE2025東京大会(サステナブル建築都市世界会議)」でも紹介される予定であることに触れられました。

ちなみに、デコスファイバーはi-works標準仕様となっています。


総会の後半では、JCA事務局である株式会社デコスより、最新の普及状況とデータ報告が行われました。2025年春に開催された中四国エリア勉強会では、施工密度の実習研修を通じて「断熱施工の見える化」が図られ、標準施工密度(55±5kg/m³)や吹込み量管理の重要性が再確認されました。経験の浅い作業員を含め、すべての参加者が規定範囲内での施工を実現しており、JCAの技術水準の高さを示す結果となりました。



