セルロースファイバーは結露に強い?内部結露と夏型結露の対策

セルロースファイバーを使えば結露しない?

セルロースファイバーを使えば、絶対に結露しないということではありません。

セルロースファイバーには、周囲の湿度に応じて水蒸気を吸放出する調湿性があり、湿度変化をやわらげる方向に働きます。

しかし、住宅の結露は断熱材だけで決まるものではありません。

壁や屋根の構成、防湿・気密、透湿性、通気、地域の気候条件、室内の温湿度、換気・空調、住まい方など、さまざまな条件が関係します。

そのためデコスでは、セルロースファイバーの調湿性だけに頼るのではなく、壁体構成や地域条件などを確認し、物件ごとに内部結露計算を行って防露性能を確認しています。

このページでは、結露の基本から、内部結露・夏型結露の仕組み、セルロースファイバーの調湿性、そしてデコスの結露対策について解説します。

結露とは?

結露とは、空気中の水蒸気が冷やされ、液体の水になる現象です。

建材の表面温度などが、その周囲の空気の露点温度を下回ると結露が発生します。

住宅の結露は、発生する場所によって表面結露と内部結露、発生する季節や条件によって冬型結露と夏型結露などに分けて考えることができます。

内部結露はなぜ問題? ― ナミダタケ事件から考える

71ナミダタケ事件

1970年代の北海道では、住宅の断熱化が進む一方、新築後わずか数年で床や土台などが腐朽する被害が相次ぎ、「ナミダタケ事件」として大きな問題になりました。


ナミダタケは木材を腐朽させる菌の一種です。住宅内部に湿気が入り込み、断熱材や木材が湿った状態になると、木材の腐朽につながるおそれがあります。


この問題は、断熱材を入れるだけではなく、湿気を壁や床などの内部にためない設計・施工が重要であることを示す事例のひとつです。


現在の住宅でも、断熱性能を高めると同時に、防湿・気密・透湿・通気などを適切に計画し、内部結露のリスクを抑えることが重要です。

内部結露のリスクを抑える基本的な考え方

住宅の内部結露対策では、壁や屋根の内部に湿気を入り込ませすぎないこと、入った湿気をためないことが重要です。

そのためには、断熱材だけでなく、防湿・気密・透湿・通気などを、地域の気候条件や壁・屋根の構成に応じて適切に計画する必要があります。


主なポイント

  • 室内から壁体内への水蒸気の侵入を適切に抑える
  • 壁体内に入った湿気が外部へ抜けやすい構成にする
  • 外壁や屋根の通気層を適切に確保する
  • 断熱欠損や気密欠損をできるだけなくす
  • 地域条件や壁体構成に応じて内部結露のリスクを確認する


内部結露は、ひとつの材料や対策だけで防ぐものではありません。断熱・防湿・気密・透湿・通気を組み合わせ、壁や屋根全体で湿気をコントロールすることが基本です。

セルロースファイバーの調湿性は結露対策にどう働く?

セルロースファイバーには、周囲の湿度に応じて水蒸気を吸放出する調湿性があります。

湿度が高くなると水蒸気を吸着し、低くなると放出することで、湿度変化をやわらげる方向に働きます。

ただし、セルロースファイバーの調湿性だけで結露を防げるわけではありません。

デコスでは、断熱材の特性に加えて、壁体構成・防湿・気密・透湿・通気・施工品質・内部結露計算などを組み合わせて、内部結露のリスク低減を図っています。

デコスファイバーにはホウ酸・ホウ砂などが添加されており、JIS A 9523に適合したセルロースファイバー断熱材として品質管理されています。

また、デコスドライ工法では、専門の施工技術者が所定の施工密度で吹き込み、断熱欠損をできるだけ生じさせない施工を行います。

デコスの結露対策は、セルロースファイバーの調湿性だけに頼るのではなく、材料・設計・施工・確認を組み合わせて考えることが基本です。

内部結露とは?

80内部結露


内部結露とは、壁や屋根などの内部に入り込んだ水蒸気が、温度の低い部分で冷やされ、結露する現象です。


壁体内の温度や水蒸気量は、室内外の温湿度だけでなく、断熱材・防湿層・耐力面材などの材料構成や、それぞれの透湿性能によって変わります。

内部結露は壁や屋根の中で発生するため、表面結露に比べて気づきにくいのが特徴です。湿った状態が続くと、木材の腐朽やカビなどにつながるおそれがあります。

そのため、壁体内への水蒸気の侵入を適切に抑えるとともに、壁体内に湿気を滞留させにくい構成にすることが重要です。

セルロースファイバーなら防湿層は不要?

81防湿層の設置


セルロースファイバーを使えば、必ず防湿層を省略できるということではありません。


一般に、繊維系断熱材を使用する住宅では、室内から壁や屋根の内部へ水蒸気が入り込みすぎることを抑えるため、室内側に防湿層を設けることが基本です。

一方、防湿層の設置については、地域の気候条件や断熱材の種類、壁・屋根の構成、各材料の透湿性能などによって考え方が異なります。

デコスでは、セルロースファイバーの調湿性だけを理由に防湿層を省略するのではなく、適用条件や壁体構成などを確認し、物件ごとに内部結露計算を行って防露性能を確認します。

その結果に応じて、防湿層の設置や壁体構成などを検討します。

「セルロースファイバーだから防湿層がいらない」のではなく、住宅ごとの条件を確認して判断することが重要です。

83防湿層の省略
85防湿層の省略3


防湿層を省略できる場合とは?


セルロースファイバーだから、必ず防湿層を省略できるわけではありません。

防湿層を省略できるかどうかは、地域の気候条件や壁・屋根の構成、断熱材や面材などの透湿性能を踏まえて判断する必要があります。

デコスでは、物件ごとに壁体構成や地域条件などを確認し、内部結露計算を行って防露性能を確認しています。

その結果に応じて、防湿層の設置や壁体構成を検討します。

防湿層を省略する場合も、外側へ湿気が抜けやすい面材や透湿防水シート、通気層などを適切に組み合わせ、壁全体で湿気をコントロールすることが重要です。

86通気層の設置

内部結露計算とは?

87内部結露計算とは?
89内部結露計算とは?3


内部結露計算とは、壁や屋根の中で内部結露が発生する可能性があるかどうか、設計段階で確認するための計算です。


地域の気象データ、室内外の温湿度条件、壁や屋根を構成する材料の厚さ・熱伝導率・透湿性能などを用いて、各材料の境界面における温度と水蒸気圧を計算し、結露の発生リスクを確認します。

デコスでは、物件ごとに壁体構成や地域条件などを確認し、内部結露計算を行っています。

計算の結果、結露が発生する可能性があると判定された場合には、防湿層の設置や使用する建材、壁体構成などの変更を検討します。

内部結露計算は、結露しないことを保証するものではありません。

一般的な一次元定常計算は、一定の室内外条件を設定して計算する方法です。実際の住宅では、気象条件や室内の温湿度、換気・空調、施工状態、雨水の浸入など、さまざまな条件が変化します。また、セルロースファイバーの調湿性や夏型結露など、計算だけでは十分に評価できない要素もあります。

そのためデコスでは、内部結露計算だけに頼るのではなく、断熱・防湿・気密・透湿・通気・施工品質などを組み合わせ、壁や屋根全体で結露リスクを低減することを基本としています。

夏型結露とは?

102夏型結露


夏型結露とは、夏の高温多湿な外気や日射、室内の冷房などの影響によって、壁や屋根の内部で水蒸気が冷やされ、結露する現象です。


冬の内部結露では、主に室内側から屋外側への水蒸気の移動を想定しますが、夏は条件によって屋外側から室内側へ水蒸気が移動することがあるため、「逆転結露」と呼ばれることもあります。

ただし、夏に冷房を使用すれば必ず夏型結露が発生するわけではありません。

地域の気候条件、日射、室内外の温湿度、冷房の設定、壁や屋根の構成、各材料の透湿性能、施工時に含まれた水分や雨水の浸入など、さまざまな条件が関係します。

そのため夏型結露対策も、ひとつの材料だけで考えるのではなく、防湿・気密・透湿・通気・断熱・施工品質などを組み合わせ、壁や屋根全体で湿気をコントロールすることが重要です。

夏型結露のリスクを抑えるには?


夏型結露は、ひとつの対策だけで防ぐものではありません。

地域の気候条件や壁・屋根の構成、冷房の使い方などを踏まえ、建物全体で湿気をコントロールすることが重要です。


主なポイント

  • 壁や屋根の中に湿気をためにくい構成にする
    各材料の透湿性能を考慮し、壁体内に入った湿気が滞留しにくい構成を検討します。

  • 通気層を適切に確保する
    外壁や屋根に通気層を設け、壁や屋根の内部に入った湿気を外部へ排出しやすくします。

  • 防湿・気密を適切に計画する
    防湿層の有無だけで判断せず、地域条件や壁体構成に応じて、水蒸気の移動を適切にコントロールします。

  • 施工時の水分や雨水の浸入にも注意する
    建材に含まれる水分や施工中の雨水なども、壁体内の湿気を増やす要因になります。

  • 冷房を含めた室内の温湿度にも配慮する
    夏型結露には室内外の温湿度差も関係するため、冷房・除湿・換気などを適切に行うことも大切です。


夏型結露対策で重要なのは、「この材料を使えば大丈夫」と考えるのではなく、地域の気候条件や壁・屋根の構成に応じて、防湿・気密・透湿・通気・断熱・施工品質などを適切に組み合わせ、壁や屋根全体で結露リスクを低減することです。


住まい方も結露に影響する


結露は、建物の設計・施工だけでなく、実際の住まい方によっても影響を受けます。

室内の温度や湿度、冷暖房・除湿・換気の使い方などによって、室内外の温湿度条件は変化します。

そのため、建物側で適切な結露対策を行うとともに、室内の温湿度を確認しながら、換気・冷暖房・除湿などを適切に使用することも大切です。

よくある質問


Q:セルロースファイバーを使えば結露しない?
A:いいえ。セルロースファイバーには調湿性があり、湿度変化をやわらげる方向に働きますが、結露を完全に防ぐものではありません。壁や屋根の構成、防湿・気密・透湿・通気、地域条件、施工品質などを含めて総合的に対策することが重要です。


Q:セルロースファイバーなら防湿層は不要?
A:必ずしも不要ではありません。防湿層の必要性は、地域の気候条件や壁・屋根の構成、各材料の透湿性能などによって異なります。デコスでは物件ごとに内部結露計算を行い、その結果に応じて防湿層の設置や壁体構成を検討します。


Q:内部結露とは?
A:壁や屋根などの内部に入り込んだ水蒸気が、温度の低い部分で冷やされて結露する現象です。外から見えにくく、湿った状態が続くと木材の腐朽やカビなどにつながるおそれがあります。


Q:夏型結露とは?
A:夏の高温多湿な外気や日射、室内の冷房などの影響によって、壁や屋根の内部で水蒸気が冷やされ、結露する現象です。「逆転結露」と呼ばれることもあります。


Q:内部結露計算をすれば結露しない?
A:いいえ。内部結露計算は、一定の条件を設定して結露リスクを設計段階で確認するためのものです。実際の気象条件や室内の温湿度、施工状態などは変化するため、結露しないことを保証するものではありません。


Q:結露対策で重要なことは?
A:ひとつの材料だけに頼るのではなく、地域の気候条件や壁・屋根の構成に応じて、断熱・防湿・気密・透湿・通気・施工品質などを適切に組み合わせ、壁や屋根全体で結露リスクを低減することが重要です。

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