【開催報告】省エネ適合義務化の“落とし穴”を探る ― セミナーで見えた施工者に求められる新たな責任と品質 ―

省エネ適合義務化の“落とし穴


2025年4月から「省エネ基準の適合義務化」が本格施行され、建築業界は新たな転換期を迎えています。 

この変化に対応すべく、5月15日(木)にJCA(日本セルロースファイバー断熱施工協会)と株式会社デコスの共催によるWEBセミナー 「省エネ適合義務化の落とし穴」 を開催しました。

セミナー募集チラシ


JCA・デコスセミナー2025「省エネ適合義務化の落とし穴」開催概要

日時:2025年5月15日(木)14:00~16:00

形式:Zoomウェビナー(オンライン開催)

主催:JCA・株式会社デコス

講師:住まい環境プランニング合同会社 代表 古川繁宏 氏

対象:工務店、設計事務所、デコスドライ工法施工代理店

参加者数:255名(事前申込制・無料)

省エネ適合義務化に伴う注意点
努力義務⇒義務


セミナーのポイント

●「努力義務」から「義務」へ

2025年4月の制度改正により、省エネ基準は努力義務から法的義務へと変わりました。 これまで施工ミスが問題とされにくかった場面でも、今後は瑕疵(かし)と認定される可能性があり、訴訟リスクの高まりが懸念されています。


●告示971号と断熱施工の新たな常識

国交省の「告示971号」では、住宅の断熱・防露・気密・換気に関する具体的な措置が明示されています。 講師の古川氏からは、防湿層の設置基準や断熱材の選定・施工の注意点など、実務に役立つポイントが丁寧に解説されました。


●結露トラブルと施工ミスの実例紹介

セミナーでは、実際に発生した結露による住宅トラブルや裁判事例を紹介。 防露性能が不十分な断熱施工、気流止めの欠如、建て方時の雨養生不足などが、数千万円規模の大規模修繕につながったケースも取り上げられました。

結露による調停結露調査と修繕事例
結露させない高性能住宅造りの注意点

参加者の声(一部抜粋)

「法改正の影響とその具体的な施工対応を、事例を通じて学べたことが大きな収穫でした」
「断熱材の選定や気密施工のポイントなど、現場で生かせる知識を得られました」
「“省エネ住宅=訴訟リスク”の時代に突入していることを改めて認識しました」
古川さん執筆の結露関連雑誌

古川さん執筆の結露関連雑誌

まとめ

今回のセミナーでは、省エネ義務化時代に求められる「責任施工の本質」について深く掘り下げることができました。
 断熱・気密・防露・換気、それぞれの設計・施工精度が、住まいの品質と信頼に直結することを改めて実感した2時間となりました。

株式会社デコスおよびJCAでは、今後も業界全体の施工品質向上と情報共有の場を継続して提供します。